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◆バーチャルアコースティックボード PLG100-VL,PLG150-VL


 一般的にはVA音源,物理モデル音源と呼ばれている物で、仮想空間に仮想楽器

を作りだし、振動を与えるなどして発生する音をシミュレートしてしまおうとい

う代物です。特に管楽器の音色はPCM音源では不可能なリアルなサウンドが得ら

れます。しかしその反面、演奏方法をちゃんと再現してやらないときれいな演奏

になりません。PCM音源の代わりにVA音源を使っても同じようにデータを作って

いてはむしろ変な音になってしまう事もあります。VA音源を使うにはそれなりの

心構えも必要です。ストリングスやギター等の音色もありますが、単音しか発音

出来ないのでやはり管楽器が主な用途になるでしょう。以下の説明も管楽器を前

提に解説します(他の系統の楽器だと意味合いが違ってくる部分もあります)。


VLボードを使ったデータ作りですが、まずはXG音源を初期化します。

.EXCLUSIVE {$43,$10,$4C,$00,$00,$7E,$00} /XG SYSTEM ON

次にVLボードをどのパートで使用するか決定します。

.EXCLUSIVE {$43,$10,$4C,$70,$00,$00,$03} /VL Part Assign

この例では最後の$03で「Ch.4にアサインする」という意味になります。1〜16Ch.

が$00〜$0Fになります(10進表記でも構いません)。

これで、アサインしたパートでVLボードの音色を選びます。バンクセレクトMSB

33,81,97がVLボードの音色です(詳しくはマニュアルを見てください)。

@97:112,66 /AltoSax!

これでVLボードから音が出せるんですが、ただ音色をVLにしただけではかえって

変な音でなってしまう場合があります。キレイな音を出すためにいくつかの設定

をします。

.EXCLUSIVE {$43,$10,$57,$00,$00,$10,$00} /VL Breath Mode

ブレスモードを設定します。XGフォーマットのエクスクルーシブではないので注

意してください。最後の$00がブレスモードのパラメータです。

$00 : BC/WX ブレスコントローラ(CC No.2)で息を送る量をリアルタイムにコン
   トロールできます。

$01 : Velocity ベロシティのみでコントロールするため、発音後に変化を与え
   られません。

$02 : Touch EG 発音時はベロシティ、発音後はアフタータッチでコントロール
   します。

$01 Velocity ではVLを使う意味ないですからBC/WXかTouch EGを使う事になりま

す。BC/WXはウィンドコントローラやブレスコントローラを使う場合に、Touch EG

は打ち込みで使う感じですが、LIKE THE WINDでは1つのコントロールで足りる

BC/WXモードを使ってみました。Zのみで使う場合はTouch EGの方が使いやすいか

もしれません。

次にVL独自のパラメータを操作できるようにします。VL独自のパラメータには、

・プレッシャー:息を吹き込む強さ
・アンブシュア:口の構え(楽器によって意味が異なるので注意)
・タンギング:舌を使って変化をあたえる
・スクリーム:絶叫したような音を出す
・ブレスノイズ:息もれのノイズ
・グロウル:LFOによる揺れを発生
・スロートフォルマント:共振による息の変化
・ハーモニックエンハンサ:倍音成分を強調
・ダンピング:損失エネルギーの大きさ
・アブソープション:高周波数域のエネルギー損失

があり、これらを任意のコントロールチェンジNo.に割り当てて操作します。コ

ントロールチェンNo.は3,8,9,12〜31などの機能が割り当てられていないNo.を使

います。さらにそのコントローラで変化する度合いも設定します。

.EXCLUSIVE {$43,$10,$4C,$09,$03,$03,$03} /VL Pressure CCNo.
.EXCLUSIVE {$43,$10,$4C,$09,$03,$04,$7F} /VL Pressure Depth
.EXCLUSIVE {$43,$10,$4C,$09,$03,$05,$08} /VL Embouchure CCNo.
.EXCLUSIVE {$43,$10,$4C,$09,$03,$06,$7F} /VL Embouchure Depth

この例ではプレッシャーをCC No.3、変化の度合いは最大の127に、アンブシュア

をCC No.8、変化の度合いを127に設定しています。

$43,$10,$4C,$09 の後の $03 がVLボードをアサインしたパートです。この場合

Ch.4です。他のパートにアサインした場合はここも変えて下さい。

その次の$03や$04が設定する項目です。これ以外はマニュアルを参照してくださ

い(手抜きですみません)。で、最後が設定値になります。

通常使用するのはこのプレッシャーとアンブシュアが多いでしょう。他のコント

ローラは必要なければコントロールチェンジなどは設定する必要はありません。

これで準備は整いました。

@97:112,66      /AltoSax!
Y3,127          /Pressure
Y8,64           /Embouchre
r cdefg

で、多少マトモな演奏になるはずです(アンブシュアは中央(64)が標準値)。

が、このままベタ打ちしてはVLボードが泣きます。基本的にはプレッシャーで息

使いを表現していきます。さらに豊かでリアルな変化を得たいときはアンブシュ

ア、その他のパラメータを変化させます。


他にVLボードでは音色エディット等も可能ですが、その辺はさすがにZだけでや

るのはキツイですね。最終的にZで作るにしてもXG Works上でいろいろといじっ

てみる事が、VLボードの理解への近道です。あと、実際に楽器が演奏できると有

利ですね。パラメータがリアルなので実際の演奏に近いイメージで入力できると

思います。ちなみに私は管楽器の演奏方法なんて全然解りません。小学校の時に

リコーダーは持ってた(?)ような気はするけど(笑)。


(EOF